昔、あるチャットグループに属していたころ、時折聞く奇妙な発言があった。

「会話を操作しています。」

使われ方としては、大体以下のような文章で聞くことが多かった。

「自分は時々主語を入れ替えたり、重要な情報を省いたりして、周りでの会話を操作しています(笑)
これがまた楽しくて、癖になるwww」

当時はものすごい壮大な発言に思えていたが、妙な違和感が尋常じゃなかった。

その違和感の正体はよくわからないまま長い年月が過ぎたが、
今ではどういうことだったのかがよくわかるような気がする。

つまり、
人はそもそも自分の周りの会話の操作の「ような」ことを少しずつしていて、
わざわざ「自分は会話の操作をしています(笑)」と言うこと自体が奇妙だということだ。

皆行っていることを、さも自分だけが行っているかのように発言することがおかしいのだ。

さらに言えば、会話の操作をしていると聞いて、周りは気分が悪くなるに違いない。
え、何やっちゃってくれてんの？ としか感じず、ただのおかしな人にしか思えないのだ。

通常、人は案外ただ普通に話しているだけだ。
嘘をつくことがある、というところに関しては多少の操作をしているといえるだろう。

ちょっとずつ嘘をつく必要があったとしても、「自分は会話の操作をしている」という発言は、
絶対にしないことをお勧めする。
周りの人間からしたら、奇妙に感じるせよ頭にくるにせよ悲しくなるにせよ、とにかく印象が悪い。

気を付けて。