お酒をあまり飲まないという人は多いだろうが、
お酒をとたんにやめたという話は個人的に耳にしない。

自分に関しては依存症というわけじゃない様子だったので、
お酒を口にしなくなってからは飲まないよう少し気を付けるだけだと思っていた。

ところが実際はそんな楽なものでもなかった。

毎日過ごすうえで、感覚が違いすぎるのだ。

昔だったら疲れて仕事を終えたときや、誰かと会うときに、
お酒でも飲むか！ と、スイッチが入っていた。
飲んでしまえば多少は楽しくなるし、人と会っていればいつもより会話も弾む。

ずっと飲まなかったら……？

そう、飲んでないので急に楽しくなるわけでもなく、
誰かと会っていても飲んだことによる切り替えが利かなくなるのだ。

更に、自分の中で生活のリズムも作りづらい上に、
時間感覚と気分がいつも正常であるために、1日の感覚がだいぶ違って異常に長く感じる。

睡眠は浅くても飲んで寝た場合と、飲まないで毎日寝た場合では、
やはりリズムのでき方がだいぶ違うため、正常な睡眠が何かと思い知らされる。

特に気分が強引に変えられないまま毎日が過ぎれば、
連日の時間感覚や気分の感覚もまた各々違ってくる。

一応でも息をむりやり抜かせていたことが、一切なくなるのだ。

正直、なにやらなんとなくつまらないし、どうも楽しくない気さえする。

とは言っても、本来お酒は毒だし、飲んでない方が正常である。

そのため、お酒を飲むようになってこんなに感覚が変わってしまったのか、
と反省した。

お酒を飲まなくてもベストパフォーマンスを出せるようにするには、
日々のたゆまぬ地道な訓練が必要そうだ。