学生時代からの友人で、かなり付き合いの深かったやつがいた。

頻繁に会い続けていたし、会えばかなり長い時間一緒にいた。

その友人の性格がだんだん変わってきた。

昔あれほど共有してた話題のどれをとっても「知らない」「知らない」としか返さなくなり、
新しい話題しか話題として成立しなくなってきたうえに、
新しい話題でさえ何もかも覚えてないし、手のひらを返したように、
「そんなものは知らない」とばかり言うようになった。

新たに話題を作るしかないのに何か話を振っても何もかも興味を示さず、
「訳の分からないことを言うな」と、キレてばかりになっただけでなく、
ここでは書けないような冷酷な姿勢ばかりになってきた。

疲れていたのかな、とか考えるわけだが、
あまりにひどい発言ばかりになって、少しも引く姿勢をとらず強硬な姿勢ばかりを取るため、
だんだん、もう無理なのかな、と思うようになり、
縁を切る決定打ばかりの行動が目立つようになり、仕方なく縁を切るに至った。

ある日、そういえばそいつのアルコール依存症は今大丈夫なものなのだろうか？ と余計な心配をして、
いろいろ調べてみると、「アルコール依存症は人格変化を引き起こす」という記述があった。

内容を読んでみると、何もかもがそいつの症状と合致していてひどく驚かされた。

なにやら人格が以前とは違ってだんだん暴力的になり、荒廃してきた感じがあったが、
一概に人格については語れず、様々な要因もそれなりに絡むだろうが、
どうやらアルコール依存症のせいだったようだ。

昔みたいにまた楽しく話したいものだが、無理らしい。

楽しかった彼はどこに行ってしまったのだろうか？ と、悲しくて仕方がない。